G.ART FIELD 開設にあたって

赤坂の地に新しく画廊を開設することになりました。名づけて G.Art Field 。G. とはまずもって Gallery(画廊)の頭文字ですが、 そこに g に始まるさまざまな英単語を込めていただいてもかまいません。 g で始まる言葉はなかなか良い意味のものが多いのです。そうした 多義性を担う G. の次の Art Field は、「芸術の場」「芸術の地平」という 拡がりを意味します。多義性、多様性、多方向性を容れる拡がり のある芸術空間、それが G.Art Field です。 既成の評価・臆見にさおさすことのない真に新たな才能の発掘と支援を 主目的のひとつとしますが、またジャンルにとらわれずに作家や作品の 評価・再評価をめざす展覧会を企画・推進していきたいと思います。 斬新なテーマ別の展覧会も、当然この「地平」に含まれることになるで しょう。

こうした展覧会企画と並んで、まさに多彩な表現者・研究者 によるレクチャー・シリーズ《GAF の部屋》を開催します。 「ガフの部屋」とは「ヘブライ人の伝説にある、神の館にある魂の 住む部屋のこと」という説明もネットなどに出ているようですが、 それとは関係ありません。「神の館」「魂の住む部屋」というなら それはそれでまあかまいませんが、むしろ現代版「芸術と驚異の部屋」 と思っていただければ幸いです。サロン的な雰囲気のなかで驚くべき 芸術知の地平が望見される、そのような「部屋」を実現できればと考えます。 

「芸術の終焉」論がかまびすしく唱えられたあとにも「芸術」はいっこうに 「終焉」せず、むしろなんでもありの騒擾状態が出来(しゅったい) しています。しかし問題はあくまでも「芸術」の「質」であることには 変わりがないと信じます。そうした「質」の追求の「場」、「芸術」の 展開可能性の「場」として、G.Art Field がここに成立します。 

谷川 渥