夢魔に憑かれた現代アート
講師 相馬俊樹

第1回  2021年5月21日(金)

ハンス・ベルメール 生涯と芸術の核心

少女人形によるサディスティックな実験/遊戯、スーパー・インポジションを駆使する緻密な版画作品、異様な淫夢に染められたドローイング、快楽殺人をも髣髴とさせる愛人の緊縛写真…ベルメールのエロティシズムは女性のイマージュの解体と再構築を繰り返す反復運動のなかに結実する。ベルメール伝(ピーター・ウェブ著)の翻訳を準備する(六、七月頃、国書刊行会より刊行予定)訳者/講師が、芸術家と深く交流した女性たちとのエピソードなどを交えながら、苦難に満ちた生涯と作品に秘められた核心に迫る。

第2回  2021年6月18日(金)

シュルレアリスムと猟奇殺人 

シュルレアリスムのアメリカ/テリブル・サイド

デュシャンの遺作に酷似した惨殺死体のイメージは、しだいに他のシュルレアリスム作品とも共鳴しはじめる。常軌を逸した猟奇殺人「ブラック・ダリア事件」はシュルレアリスムが育んだ恐るべき悪夢であったのか…未訳の資料『優雅な死体 シュルレアリスムとブラック・ダリア殺人』(マーク・ネルソン&サラ・ハドソン・ベイリス著)に依拠しつつ、隠されたシュルレアリスムのデンジャラス・コアへとアプローチを試みる。

第3回  ​2021年7月16日(金)

現代の芸術表現におけるエロティシズムの展望

現代アートの闇に蠢く、呪われたエロスの表現者たち。彼らは魅惑の女性像に魔毒をひそませ、ヌードの規範を揺さぶり、激越な性戯の光景に狂熱のオルギアを幻視する。いまだ知られざる多彩かつ過激な作品群を参照しながら、現代のエロティシズム表現に見られるいくつかの主要な傾向を総体的に探求する。